相変わらず安曇野は35℃を超える猛暑です。
製作中の家具が見通しがついたので、今日は、一般のお客様からのご注文頂いた飾り台を製作しました。
今回は、とにかく簡単で安く製作してほしい、とのご要望なので、伝統工法のホゾ組ではなく、コーススレッドのビス(ねじ)で組み立てることにしました。
木工教室ってほどではありませんが、製作方法は簡単なので、もしよろしければ読者の皆様もいっしょに飾り台の製作に挑戦してみてください。
まずは下記の設計図を見てください。
良く見えないという方は以下のPDFファイルを表示し、印刷してください。
設計図のPDFは → こちら
◆ 最低限、用意するもの
① 差し金
② スコヤ
③ コンべ(メジャー)
④ ケヒキ
⑤ 手のこ(のこぎり)
⑦げんのう(とんかち)
クランプ類
サンドペーパー(紙やすり)
種類は#120番、#240番、#320番の3種類は最低用意してください。サンドペーパーは番号が小さいほど荒く、大きい程細かくなります。ですので、#120番で木の表面を強引に削り(平らにするため)、#240番で表面を整えて、#320番で仕上げます。
左が電動ドリルドライバー、右がインパクトドライバーです。
電動ドリルドライバーは力の設定が細かくできるのに対し、インパクトドライバーは力の加減などの設定はなく、とにかく強力です。電動ドリルドライバーの比ではありません。
特に今回のようなビスによる組立の場合はインパクトドライバーは必須です。
ホームセンターに行くと、両方セットで安く販売しています。大工さんが使用するような耐久性があり力の強い(値段の高い)インパクトドライバーは家具製作には必要ありません。
私が使用しているのも、ホームユースのものです。
インパクトドライバー用のビットです。
① 直径10㎜の木工用穴あけビット
② プラスドライバービット
③ 下穴開け用3㎜ビット
コーススレッド(ビス)です。
違う長さのビスを数種類持っていた方がよいでしょう。30~75㎜の長さをできれば全種類あると便利です。
よく利用する長さのビスは、このような箱で購入した方がお得です。
塗料です。写真はワトコオイルですが、通常のホームセンターでは扱っていなところの方が多いと思います。その場合は、特に色を付けないようであれば白木用ワックスでもかまいません。もし、色を付けたい場合は、色つきのオイルステインを塗って、乾いたらワックスを塗ってください。
もしワトコオイルをお求めでしたらこちらからお求めください。
塗料には、刷毛を使っても良いですが、オイル系にはスポンジでも結構です。入れ物は安いビニールコップで十分です。ただし、一度出したオイルは余ったからと言って元には戻せないので、使う分だけ入れてください。
必需品です!
家具を製作する上では、木工ボンドは必ず必要になります。
◆ あると便利な物
丸のこと丸のこ定規です。丸のこは1万円以下で、刃が160㎜のもので十分ですので、できればあった方が全然効率が良いです。
丸のこのガイドです。丸のこを購入すると大抵は付属しています。使い方は後程説明します。
左がオービタルサンダー(以下サンダー)で、右がトリマーです。両方共にあれば非常に便利です。
特にトリマーはビットの種類によって面(木の角)の形を色々と変形できるので、重宝できます。
ドリルガイドです。穴掘りの深さ設定や垂直に穴を掘るのに便利です。角度調整ができるものもあります。
◆ 製作開始
さて、道具が一通りそろったら、製作開始です。
まずは図面の「必要材料」を見てください。
材料寸法が書いてありますが、寸法は各自好みで変更してください。
私は、今回余り材を使って加工しますが、ホームセンターで売っている材料の寸法に合わせてしまうのも一つの手です。その方が、木を切る手間が少し省けます。
図面の「必要材料」の①、②になる部分です。
図面の「必要材料」の③、④になる部分です。
図面のサイズはあくまで余り材を元に決めた寸法ですが、もしできたらホームセンターで「2 × 4(ツーバイフォー)」材を購入して、厚さと幅はそもまま利用し、長さだけ飾り台の上段の高さにカットするというようにしてもらうと、非常に楽です。
図面上は③と④の厚さと幅の寸法が違いますが、どちらも同じ「2 × 4」材で結構です。
直径10㎜の丸棒です。どこのホームセンターでも売っています。
さて、いよいよ加工開始です。
私どもプロは、専用の大型機械を使いますが、普通はこんな大型機械があると邪魔でしょうがないと思います。
ここで登場するのが丸のこです。
幅の広い材を直角に切る場合は、丸のこ定規を当てて丸のこで切断します。
細い材をカットするには、スコヤを丸のこ定規にして丸のこでカットします。
縦方向に長くカットする場合は、付属している丸のこガイドを使って、図面通りに切断寸法をガイドで調整します。
※注意 電動工具を調整する時は、必ずコンセントが抜けていることを確認してから行ってください
ガイドを木の横にしっかり当てて、ガイドに沿ってカットしてください。
もし、丸のこが無い場合、手のこを使用します。
手のこを使用する場合は、馴れないとどうしても斜めにカットしてしまう可能性が大きいので、必ず2面に鉛筆(シャープペンなど)で墨付けをしてから、切るようにしてください。
こんな感じです。
墨付けを行う場合は、横方向はスコヤで墨付けを!
縦方向はケヒキを使って墨付けを行います。
墨付けが終わったら、組み立てる際にビスで各パーツを止めるのですが、そのビス穴を掘ります。10㎜の木工用穴あけビットをドリルガイドにセッティングして、掘る深さは5㎜程度で良いでしょう。ドリルガイドでビットの深さの調整をてし、掘ります。
もしドリルガイドが無い場合、
目立つ色のマスキングテープなどでビットの5㎜の位置に巻き、インパクトドライバーに直接ビットを
セットします。
マスキングテープの位置まで掘ります。ぴったり5㎜でなくても良いです。
これが終わりましたら、脚部分の組み立て開始です!
上記はイメージ写真で、今回の作品のものではないですが、方法は同じです。
組み立てる材と材をクランプでしっかり固定して、下穴ビットでビスの長さくらいまで掘ります。
そして、今度はビスを打ち込みます。
このようにして組み立てて、、、
脚部分が1つ完成です!!
立てるとこんな感じです。これを3つ作ります。
今度は、ビス穴を10㎜の丸棒で埋めます。丸棒の先端にボンドを付けて、ビス穴にげんのう(トンカチ)でたたいて入れ込みます。
入れ終わったら、手のこで切り落とします。
この作業をすべての脚部分に行います。
今度は、各パーツの表面をサンドペーパーで仕上げます。サンドペーパーは長い辺を基準に三つ折りにして切ってください。
なぜなら、、、
サンダーは3つ折りサイズに合わせているのです。
サンダーで、表面を仕上げます。よほど木材が荒れてなければ、いきなり#320番のサンドペーパーで仕上げても構いません。
サンダーが無い方は、木端にサンドペーパーを巻きつけて、仕上げてください。
今回は木の面(角)はトリマーでなく、サンドペーパーで削りました。この部分は手作業で行います。
各パーツすべてにサンドペーパーで仕上げたら次は塗装です。
スポンジで、木に浸透させるように塗ってください。
塗装が終わり数時間後、乾いたらいよいよ組み立てです。
図面と同じ位置に足を配置し、飾り台(下段)をクランプでしっかり止めて、ビスを打ち込みます。
同じように、下段が終わりましたら、上段もビスでしっかり固定。
ここのビス穴は、下からのぞかないと見えないので、丸棒で隠す必要はありません。
ついに完成~~~~~~~~!!!!
時間にして約半日。誰にでも簡単にできると思います。
とりあえず、自宅の廊下で撮影しました。
飾り台の下段は、構造上、振れ止めにもなっています。
ぜひ、読者のみなさんも挑戦してみてください。
何かわからないことがありましたら、ショップのページの「問い合わせ」から連絡ください。